面接の心得

面接試験はだれもが緊張するものです。でも前もってきちんと準備をし、ルールとマナーさえわきまえていれば、それほど身構えることはありません。肩の力を抜いて、あなたらしさを相手に伝えるようにしましょう。われわれコンサルタントが面接に同席するケースも数多くあり、その際気になった点をまとめてみました。参考にしてください。

相手の目を見て積極性をアピール!

きちんと話していても、うつむいたままだと、相手に本当の意欲や気持ちを伝えることができなかったりします。面接官の目をしっかり見ながら自信を持って話すことにより、あなたの「この会社で働きたい」という積極的な気持ちを伝えることができます。

明確な回答を心がけましょう。

でも、積極的な気持ちを伝えたいばかりに、面接官の質問に対して、長々と解説するかのように答えるというのも問題です。気づくと話のポイントがズレていってしまったり。そうなってはかえってマイナスとなります。質問された事には簡潔に、しっかりした声で、答えるようにしましょう。面接の場面では、緊張によってあなたの声はいつもより小さくなってしまっていることが容易に想像できます。

一生懸命に応対しましょう。

面接の受け答えは、必ずしもスマートである必要はありません。 むしろ多少たどたどしくても、伝えたい気持ちが前面に出ている方が、熱意や一生懸命さがストレートに感じられますので、好印象を与える場合も多くあります。格好良く見せようとはせず、誠実さをアピールできるとよいでしょう。

これまでより、これからのことを。

自分をアピールするために、これまでの実績を並べ立てて売り込みに走りがちですが、面接官が知りたいのは、あなたのこれまでの経験が、これからの仕事でどう活かせるかという可能性なのです。ですから、何でもかんでも並べるのではなく、これからの事に関連深い実績を中心に、いかに今後につなげられるかという観点で話すようにしましょう。これから何が出来るか、がポイントです。

わからない場合はわからないと正直に!

「わかりません」と言うことに抵抗がないですか?よく知りもしないのに、つい知ってるふりをしてしまうと、必ずあとでバレてしまいます。わからない時は素直にわからないと答えましょう。自分を偽ってみても、結果としてプラスにはなりません。

面接の身だしなみ・エチケット

面接における第一印象はかなり重要です。最初に好印象を与える事ができた方がいいですものね。最近では服装も髪型も、比較的自由な企業が多くなってきましたが、面接の時はきちんとした装いを心掛けて下さい。シャツにアイロンをかける、靴を磨く、爪を切るなど、前日にきちんと準備をしておくといいですね。マニュアル通りのスタイルである事よりも、大事なのは「清潔感」がある事と、「不快感」を与えない事です。担当者に、この人と一緒に働きたい、と思ってもらう事が重要です。
また、必ず5~10分前には到着していられるよう、企業までの行き方、所要時間等を念入りに確認しておきましょう。早く着きすぎた時は、忙しい先方への配慮として、どこかで時間をつぶしましょう。5分前に受付を済ませるのが理想的です。急なアクシデント等により、万が一遅れてしまう場合には、必ず事前に担当者宛に連絡をいれましょう。

他にも次のような事にも気をつけましょう。

  • ・前日の夜更かしは厳禁、早寝しよう
  • ・ハンカチ、ティッシュを忘れずに
  • ・ヘアスタイルも清潔感を意識して
  • ・女性の場合、メイクも濃すぎないように
  • ・男性の場合、髭剃りも忘れずに
  • ・会社に入ったら「禁煙」のつもりで
  • ・携帯電話の電源も会社に入る前にOFFに
  • ・入室の際のノックを忘れずに
  • ・挨拶は顔を見て

面接の進行

面接の進行は、企業によって多少の差はあるものの、どこも採用という目的のために行っているわけですから、大筋同じような流れになるものです。オーソドックスな流れをご紹介しますので、これらの事項について当日きちんと話せるよう頭の中をまとめておくようにしましょう。ポピュラーな質問の流れを紹介してみます。

職歴(自己)紹介

職歴に関しては、どういった仕事でどのような成果をあげたか、そこで得られた事などを具体的に話しましょう。事前にキャリアを整理しておくといいでしょう。何ができるか、ということだけではなくどんな人物なのかも見られていると思ってください。

転職理由

現状への不満などネガティブな理由だけを述べると「後ろ向きな人」ととらえられてしまいます。そういった好ましくない状況において、いかに前向きに考え、行動を取ったかという事をアピールするようにしましょう。ステップアップを目指した転職である事が伝えられるといいですね。

仕事の志望動機

新しい仕事にチャレンジする場合、きちんと下調をし、その仕事に向き合う自分のイメージを作っておきましょう。 「こんな仕事がしたい」という具体的な思いで、先方に真剣さややる気を伝えたいものです。

会社の志望動機

「将来性がありそうだから」「安定しているから」といったありふれた、どこの会社にでも当てはまるようなマニュアル的回答では印象が薄くなってしまいます。事前に収集した会社情報をもとに、自分なりの視点で志望理由を話すようにしましょう。待遇面に偏った動機になりすぎると、仕事そのものへの意欲を感じてもらえなくなってしまうので、バランスを考えて話すようにしましょう。

条件確認・質問

人材紹介会社などを通した転職活動では、面接でこの条件確認をすることは、ほぼありませんが、個人で活動を行っている場合はここでしっかり条件を確認する必要がでてきます。
募集要項などである程度の条件は呈示されているわけですから、あまりに突飛な金額を要求したりするのはどうかと思いますが、業界やその企業の状態を把握した上で、自分の要求をしっかり伝えることは大事だと思います。
給与以外の条件(労働条件、仕事内容、休日出勤や残業など)も、気になることがあればここできちんと確認しておくようにしたいものです。
不安や疑問に思った点などがあれば、後から聞いてなかった、ということにならないように、しっかりと確認しておくようにしましょう。情報収集する中で、予め質問したい事をピックアップしておいてもいいですね

「職歴(自己)紹介」のポイント

あなたのこれまでの職務経歴を語ることで、面接担当者はあなたの人物像を浮かび上がらせようとします。あなたの良い面しっかりとアピール出来るように、これまでの自分を整理しなおして望むようにしましょう。また、ただ時系列に沿って経験内容を説明するのではなく、ポイントを絞って説明することが重要です。
仕事の成果、役割、そのことを通して得られたことを具体的にあなたのこれまでの仕事ぶりから、その経験や知識、能力がどのように入社後の仕事に生かせるのか、という点が面接担当者の一番知りたい所です。単にやってきた仕事を並び立てるのではなく、仕事を通じて得られた事や学んだことなどを含めて、事前にポイントを絞った上で具体的に話すようにしましょう。困難な場面をいかにして克服したかというエピソードなども、問題解決能力のアピールになります。面接担当者が新しい仕事におきかえて想像しやすいように話をまとめましょう。
質問の意図をきちんと理解し、明確に自信をもって回答を職務経歴や自己紹介は、時に質問形式で展開されることもあります。落ち着いて、質問の意図をきちんと理解し、自信を持って答えるようにしましょう。また面接担当官によって、専門用語等を多用せず誰もが理解できる言葉に置きかえるなどの工夫が必要な場合もあります。面接担当者が人事担当の方だったり、業種や職種の違うポジションへの転職の場合は、あなたと同じ専門的知識を持っていないというケースも想定しなければなりません。

「志望動機」のポイント

まずは自分に正直に「志望動機」を考えてみましょう。マニュアル通りの言葉や取り繕った言葉を並べても、それによって自分のやりたい仕事が出来なくなってしまう可能性もありますよね。それでは転職することの意味が無くなってしまいます。この会社に応募しようと考えたその理由をまず考え、そこに説得力、意欲を付加していく形でまとめてみましょう。

●未経験職種への志望動機は自信を持って
未経験職種への転職の場合には、経験が無い分、志望動機も具体的になりにくいと思います。事前にその職種の業務内容を調べた上で、これまでの経験で活かすことの出来る「共通点」を見つけ出し、積極的にアピールしていきましょう。
面接担当者は、あなたの話す内容はもちろんですが、あなたの態度も見ています。新しい事にチャレンジしようとしている意欲を見てもらえるよう、自信を持って語ってください。

●この会社があなたに合うかどうか見定めるくらいの気持ちで
こんな志望動機では不採用になってしまうかも、と脚色しすぎて本来の意志や思いと違うことを言っても意味はありませんよ。仕事を始めた後でこんなはずでは・・・という事になりかねません。
自分のやりたい事や、自身のキャリアプランが実現できるのかどうかを見定めるつもりで、正直に思いを伝えるようにしましょう。

「退職理由」のポイント

退職理由は、単になぜあなたが現職を辞めようとしている(辞めた)のかという事だけではなく、あなたの仕事に対する姿勢や人間性なども、読み取られています。
「今の会社では、自分のやりたいこと、目指すキャリアがつめない」というのが退職の理由だった時、自分がそのやりたいこと、なりたいものをなぜ目指すのか、なぜ今の職場では実現できないと判断したのか等を、より具体的に述べるといいでしょう。あなたの仕事や目標に対する思いが伝えられることが出来ます。
人間関係や職場環境等が理由の場合には、不満や愚痴をストレートに退職の理由として述べるのは、ちょっと考えものです。不満に思う内容も、それを回避するためにいかに前向きに努力をしたのかを、具体的に説明する必要があります。単に不満を述べるだけでは、また同じように不満を感じ、辞めてしまうのでは・・・と思われてしまっても仕方ありません。これまでの会社を否定することなく、前向きな転職であることをアピールすることが必要です。

面接での交渉術

人材紹介会社を利用すると、こういった交渉は、おまかせ、ということになるが、転職活動を個人で行うとなると、こういった交渉もしくは確認を、面接時に行わないといけないことになります。その場合の注意点について解説します。

●給与の交渉
希望の給与は、以下のポイントを元にあらかじめ算出しておきましょう。
・業界のおかれている状況
・業界内での応募企業のポジション・売り上げなど
・企業に入った場合、自分に何ができるか

自分の業績や実績など、具体的なデータを示しながら交渉を行うことをおすすめします。
ただ、こういった交渉をする事ができそうかどうか、企業体質にもよりますので、予め企業研究などをして、しっかり見極めた上で、交渉の可不可を判断するようにしましょう。
給与体系など、大枠の質問をしてみて、反応を見ながら交渉を進めていくといいでしょう。また、話し方で、相手に与える印象をずいぶん変えるものです。自信過剰、身勝手な印象にならないようにしましょう。とはいえ交渉ですから、控え目過ぎても説得力が感じられなくなりますので、必要な情報はしっかりと説明した上で金額の妥当性を訴えられるといいでしょう。

●待遇の交渉
待遇については、交渉というより、確認をするといったほうが適切かもしれません。どういう手当てがあるのか、自分がどの手当の対象になるかなどを確認する程度にとどめましょう。
賞与・昇給なども、制度や参考として過去の実績などを聞くくらいがいいでしょう。具体的な金額は、変動するものなので答えてもらえないこともあるでしょうし、お金にうるさい、と悪印象を与えかねません。

●勤務地の交渉
特定の拠点での募集、職種によって勤務地が固定されている、といった場合を除き、基本的に全国に拠点を持つ企業では、転勤はがあるのが普通だと思います。ただ、期間や頻度は企業によって異なりますので、どの程度転勤があるのか、など質問してみるのは問題ないでしょう。ただ、基本的には辞令に従い勤務する心構えがあることは示しておきましょう。
家庭の事情などで転勤ができない場合は、その事情を予め伝えて、配慮してもらえるようお願いしてみるといいでしょう。

面接のNG

企業が人を採用する際に重要視する要素・・・経験、知識、実行力、管理能力、コ ミュニケーション力…。挙げたらきりがありませんが、でももっとも重視するのは、 「人間性」ではないでしょうか。どんなに仕事の能力があっても、知識や経験が豊 かでも、人間性に難ありとなれば、そこでNGとなってしまいます。自分を振り返って、思い当たること、ありませんか?

●社会人としての基本的マナーに欠ける
・・・挨拶ができない、TPOに合った外見を整えられないなど。
●コミュニケーションができない
・・・質問の意図を理解できず、的はずれな回答をする。
●立場をわきまえない
・・・明らかに横柄な態度をとる、他人の非難を平然とする。
●柔軟性がない、自己主張が強すぎる
・・・相手の考え、意見を受け入れようとせず、とうとうと自論を論じる。
●偏った考え方をもっている
・・・極端なものの見方をすることが個性的と勘違いしている。

案外自分では認識できていないことが多かったりするものです。
面接本番前に、第三者に「自分はどう見えるか?」「マイナスの印象はどんな点か」を聞いてみるのも一つ方策です。そして自分のNG部分を知った上で、改善する努力をもって本番に臨んでください。その努力はきっと無駄になることはないと思います。

面接で企業を知る

会社選びは、自分が重視する価値基準に合うかどうかという「あなたの希望とのマッチング」がたいへん重要です。そして面接はそれを確かめることの出来る最大のチャンスなのです。面接の前に、あなたの希望条件に優先順位をつけることはもちろん、譲れる範囲を明確にしておくと良いでしょう。これらの内容を面接を通してしっかりと確認しておくことで、入社後に後悔しないで済むことになります。
また、面接は入社前に会社の中に入れる数少ない機会の一つです。面接での質問事項だけでなく、すれ違う社員の表情や雰囲気、受付の対応、また面接時の面接官の人柄等一つとっても、会社の色や雰囲気がわかると思いますので、ぜひ、肌で感じとってください。

具体的な質問例

これまでのお仕事の内容を教えてください

特に仕事の内容を詳しくチェックされますので、詳細な業務内容、ポジション、実績など具体的な説明をしましょう。内容のみでなく、自らの経験をうまく相手に伝えられるかどうかを面接官は見極めています。

今回の転職理由をお聞かせください

自分自身の可能性を広げたい、色々なことにチャレンジをしたい、など前向きな姿勢が相手に伝わるような答えを心掛けしましょう。前の会社の不平不満などの理由は避けた方が無難です。

長所と短所を教えてください

予め長所・短所を書き出し自己分析をしっかりと行った上で臨みましょう。 まじめで誠実な人柄がしのばれるように答えましょう。

当社で働くとしたらどのようなお仕事を希望されますか

目標を持ち、またそれによる将来の展望などを折り込みながら希望を述べましょう。

自身のキャリアについてこれから5年先、10年先についてどうお考えですか

数年後の自分自身をイメージすることはキャリアアップの基本です。自分自身がどうステップアップしていくかを常に考え、いつでも答えられるようにしておくことがベストです。

当社をどの程度ご存知ですか

応募先企業については、求人票の情報だけでなく、ホームページや新聞や雑誌等、予めいろいろな情報を入手することが可能です。会社の特徴、規模など資料を読み、頭に入れて臨みましょう。どのくらい自社に興味を持ってくれているのか、それを判断したい面接官にうまく意欲が伝えることが大切です。

現在の年収、希望年収を教えてください

現在の年収と整合性のある答えをしましょう。あまり高望みをしてもいけませんし、自分を安売りしていると判断されても不利になってしまいます。自分自身できちんと納得して提示出来る年収イメージをしっかりと持つことが大切です。

入社決定となった場合、いつ頃から出社可能ですか

曖昧な答えは、マイナスイメージに直結します。現職の方は予め転職可能時期を想定し、ある程度明確な時期を答えましょう。通常ですと、1ヶ月から3ヶ月以内に入社することが一般的です。

株式会社ITエンジニア 5つの約束